国産初のステレオカセットデッキ、アイワ TP-1009 製造55年完動 ・・・なんですが、ネットではTEAC A-20が国産初? これは聞き捨てならん!ということで、 ①既成事実確認編 – 上行工房




私が所有している国産初のステレオカセットデッキ アイワTP-1009は、発売から55年が経過した現在も元気に動いています。設計がしっかりしていた証左です。

ところが、インターネットで
「国産初のステレオカセットデッキ」
で検索すると、TEAC A-20が国産初として表示されます。

この由々しき事実、2020年ごろには気づいてはいました。
確か、インターネット普及前の1993年ごろ、ニフティの会議室か2ちゃんねるではアイワが国産初だということは語られていた記憶があるんですが、インターネットになって、古い情報は必ずしも引き継がれていない面がありますよね。まぁ普段、なくても困らないし。
でもこういうことが起こると、どうやって調べたらいいものか悩みました。

過去の記憶だけで騒いでみても、だれも取り合ってはくれないでしょうし。

で、思いついたときに地道に調べてみたりしてはいたんですが、なかなか核心的な情報に行き当たらずここまで来てしまいました。
しかしここへ来てようやく、情報が出揃ってきましたので、ここらでぶち上げてみようと思いました。

文春砲ほどの威力はありませんが、正しいことはお判りいただけるのではないかと考えております。

私もそうですが、アイワには世話になったって人はかなり多いと思います。
そんなアイワの名誉を守るのだ!って気持ちです。

●続編

国産初のステレオカセットデッキ、アイワ TP-1009 ②雑誌・カタログ調査編
https://youtu.be/oizGgWGZMKE

●ティアック A-20 を国産初としているwebページ

・国産初のカセットテープデッキ – The History of Sound & Recording

https://www.teac.co.jp/jp/contents/history-a-20

・「テープ録音機物語」 – その63 カセット (I) – 日本オーディオ協会

https://www.jas-audio.or.jp/jas-cms/wp-content/uploads/2012/05/201205-17-28.pdf

・蠱惑の楽器たち 37.音楽と電気の歴史13 カセットテープレコーダー

https://www.soundhouse.co.jp/contents/column/index?post=2358

・ClassicPro CP-15Eを紹介した際に

サウンドハウスさんのサイトも登場している
PAスピーカーの動画です。
https://youtu.be/b4JU1AQksDs

●TP-1009が国産初であるとしっかり記載されていたさすがのサイト

・懐かしのカセットテープ博物館

TEAC A-20
https://compactcassettes.jp/cassettedeck/a_20/teac_a_20.html

みなさんカセットの歴史を後世に伝えるために、苦労して調査され、それぞれのwebサイトやPDFで情報を公開されておられます。

それらがおしなべて誤った記述になってしまっているのは、ティアックのわずか1枚のwebページが原因。
残念なことです。

●続編
国産初デッキ アイワ TP-1009 TEAC A-20より発売が早かったことを証明すべく調査を行いましたがまぁぜんぜん早かったです。 ②雑誌・カタログ調査編 参考資料の画像あり 国産初の証明 – 上行工房
https://5volt.jp/aiwa-tp-1009_is_1st_deck___teac-a-20_is_3rd_deck/

源流カセットデッキ探訪記 完結編 国産初はこちらだ! AIWA TP-1009が国産初のステレオカセットデッキです! ③電波新聞調査編 参考資料の画像あり – 上行工房
https://5volt.jp/the_first_cassette_deck_in_japan_aiwa_tp-1009/

● 電波新聞の記事をテキストに起こしました。
アイワ、国産初のステレオカセットテープデッキ TP-1009を発売 記事全文 – 電波新聞1968年3月28日15面

★字幕データ

はいウェイク工房です
今日は私のとっておきの宝物である
アイワTP-1009をご紹介したいと思います
これは国産初のステレオカセットデッキになります
それでは四の五の言う前に早速電源を入れて
動作させてみましょう
発売当時の音に近い音が聞けたら
いいかと思いまして
私が持っているカセットテープで
1番古いやつを出してきました




こんにちは 源流カセットデッキ探訪記のウエイクです
2024年2月現在
Googleで国産初のカセットデッキで検索をかけると
TEACのA20が表示されます
GoogleのAIが最も最適な回答として
TEACのサイトの文章を引用しています
ではそのTEACのサイトを開いてみましょう
The History of Recording & Sound
1968年 A20 となっています
スクロールしていくと 国産初のカセットデッキ
というお題目になっています
そして下から4行目あたりに 国産初(当社調べ)の
ステレオカセットテープデッキA20を開発となってます
そこまではっきり書いてあれば
Google先生としてもTEAC A20を
表示するのは当然というわけです
それでは他の検索結果もいくつか見ていき ましょう
2番目に表示されているのが 日本オーディオ協会
連載テープ録音物語 その63 カセット(1)となっています
開いてみるとPDFのファイル形式ですね
JASジャーナル2012 Vol.52 No.3 (5月号)となっています
写真63の4としてPHILIPSのカセットデッキ
EL3312が掲載されています
この機種が世界初のカセットデッキというのが
オーディオ業界の共通認識になっています
初のカセットテープレコーダーについてや
DCインターナショナル方式カセットに
ついての言及もあります
非常によくまとめられた記事であると言えるでしょう
そして写真63-8として国産初の
カセットテープレコーダー
アイワ TP-707P が掲載されています
そして国産初のステレオカセット テープレコーダー
写真63-9A
アイワ TP-1004 そしてアンプ内蔵ステレオ
モジュラー型テープレコーダー
コロンビア ARC-160が掲載されています
カセットデッキが登場する全段階でもこれだけ
ステレオカセットの気運が高まっている
そういう状況が伺えます
さあそして問題のステレオカセットデッキの部分ですね
先ほどの写真でご紹介したように
まずはステレオカセットレコーダーEL3312が登場し
日本でアイワ TP-1004
続いて日本コロンビアTRC-160が相次いで登場している
そこまでは問題ない です
そのあと1969年に入ってTEAC から
写真63-10ののようなカセットデッキが 発売され
我が国における本格的なカセットデッキの第1号となる
という記述があり写真63-10として
TEACのA20が掲載されています
これは1969年ではなく1968年の間違いだと思いますが
そもそもカセットデッキの第1号は
アイワTP-1009のはずですが
それについての言及は特にありません
ましかしこのJASジャーナルの執筆が2012年である
ことを考えると致し方ない面はあるかも知れません
アイワは2002年の時点でソニーに
吸収合併されていますし
ソニーの1ブランドとなったアイワも
2008年に収束していますので
2012年の時点でティアックが国産初の
カセットデッキを主張していたのであれば
それを信じても仕方がない かもしれません
ですが日本オーディオ協会なんですから
その辺はしっかり把握しておいていただき
たかったところではあります
3番目は先ほどのティアックの
サイトですので飛ばしまして
4番目 サウンドハウス
蠱惑の楽器たち 37 音楽と電気の歴史 13
こちらのサウンドハウスさんは千葉県成田市に
拠点がある音響機材のオンラインショップです
昨年こちらでも紹介しましたPA
スピーカーなんかも扱ってるところですね
見ていきますとカセットレコーダー1号機 EL-3300
そして国産初のカセットレコーダー アイワ TP-707P
ラジカセもね 本来ならクラウンを載せるべき
なんですけども 松下RQ-231
そして問題のカセットデッキは
やはりTEAC A-20となってますねー
どうもTEACのA20が既成事実化して
しまってますよね
その次のWikipediaは 現状のネットの情報を
追認してるだけですので飛ばしまして
その次
懐かしのカセットテープ博物館 TEAC A-20
こちらを見てみましょう
TEAC A-20 1968年
TEACカセットデッキの第1号
ジャパンデッキ躍進の礎となる本格デッキ
まこの部分に特に異論はないんですけどもね
こちらのページはA20について細かく解説されてますね
後半はPHILIPSのEL3312との
比較がメインになってますね
まあ確かにTEAC A20はEL3312を
かなり真似て作られてますからね
A20はEL3312を真似ているだけあって
つまみ類が縦に並んでるんですよね
そうするとLチャンネルRチャンネルを
間違える可能性があると思うんですよ
実際にはレベルメーターを見ながら調整しますんで
ま間違いにはすぐ気づくとは思うんですけども
それに対してアイワのTP-1009は
左右に調整ボリュームが付いてますので
間違えることないと思うんですね
まあただアイワの場合もVUメーターが縦に並んでますんで もしかしたら見間違うかもしれませんけどもね
さあそして注目すべきが 1番最後ですね
2019年4月15日 初稿では本製品を
国産第1号カセットデッキとしていましたが
その後の調査により国産第1号は
アイワの TP-1009であることが判明したため
関連する部分の記述を変更しました
とあります
こちらの管理人さんはどこかでアイワの方が古い
という文献を見つけて訂正したんですね
そうなんですよ
どこかにアイワのカセット デッキの方が古い
アイワTP-1009が国産第1号カセットデッキであるという資料が あるはずなんですね
ちょっと長くなりそうですので
今回はここまでで一旦切らせて いただいて
次回はその資料探しの様子をお届けしたいと思います
お楽しみに
最後までご視聴いただきましてありがとうございました
ではまた

#カセットデッキ #aiwa #teac




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